12月24日の「THIS IS IT 金曜特別ロードショー 4時間スペシャル」に先駆けて行なわれた「今蘇るマイケル・ジャクソン」行ってきました。あまりにすばらしすぎたのでとりあえず衝動エントリーいっておきます。
マイケル・ジャクソン THIS IS IT 金曜特別ロードショー 4時間スペシャル – 金曜ロードショー
http://www.ntv.co.jp/kinro/mj/
このイベントは、実際に公演されることの無かったTHIS IS ITの内容をバックダンサーや振り付け師が再現してしまおうというイベント。世界でもこの試みは初とのことで、12月10日の金曜ロードショーでイベントへ申し込むためのキーワードを発表し、翌12月11日23時59分までに申し込んだ中から抽選で当たるというなかなかにレアなイベント。親族の名前を総動員して無事になんとか1枚ゲットできたのですが、ヤフオク見たら1万円とか2万円という値段が平気で付いてたよ……。
なお、当選者に送られた入場用のハガキはちゃんと「済」マークを押してそのまま返してくれる。こういうファンの気持ちを大切にする仕様はすばらしいですね!
イベント自体は渋谷の「SHIBUYA- AX」で行なわれ、その模様を日テレホールでは3Dでライブ中継するというシステム。これ最初はどっちがいいか悩んだけど(とはいってもハガキで日テレホール確定だったんだけど)、結果としては日テレホールでよかったなあと思った。理由は後述。
会場に入ると3Dメガネが全員に配られる。AXの会場も映像自体は3Dで配信されますが、日テレホールはライブそのものを3D配信するのが大きな違いですね。
赤坂泰彦のMCで始まったイベントは全8曲の構成。場面転換に必要なのか振り付け師トラヴィスのインタビューやギタリストのオリアンティへのインタビュー映像などがちょいちょい挟まれ、全体で1時間くらいの構成でした。
当日のセットリストはこんな感じ。
- Thriller(3D Version)
- JAM
- They Don’t Care About Us
- Smooth Criminal
- The Way You Make Me Feel
- Billie Jean
- Dangerous
- Heal The World
全体を通じて本当にすばらしいと思ったのは、演出の中でマイケル役がいないこと。もちろんダンスの関係でトラヴィスがマイケルの立ち位置につくことはあるんだけど、基本的に振り付けは全員バックダンサー用で、トラヴィスもセンターに経ちながらバックダンサーの振り付けしていることが多かった。
ダンスを見ながらそのコンセプトはうすうす気がついていたのですが、これが確信に変わったのはSmooth Criminalでセンターをつかめたトラヴィスが、白のジャケットではなく黒のジャケットで登場したこと。「白のジャケットを着るのはマイケルだけ」という心の遣い方に思わずウルウルしてしまいましたよ。
さらにはThe Way You Make Me Feelなんてマイケル役すら存在せず、まわりでやいのやいのはやし立てているダンサーだけで演出を構成。あれもマイケルが女の子をつけまわすからいいのであって、別のダンサーがやっても違うものになっちゃうよね。
これらの演出でマイケル役の人を立ててたら本当につまらなくなってただろうなあ、と視聴しながら実感。トラヴィスも含めバックダンサーたちはとってもダンスうまいけれど、やっぱりマイケルと比べてしまうと存在感が違う。無理してマイケル役を立てるのではなく、あくまで行なわれるはずだった公演のバックダンサーに徹することこそがTHIS IS ITを忠実に再現していて、このイベントを企画した人たちのマイケル愛が伝わってきました。
順番に感想をつけていくと、Thrillerは3D用に作られたイメージ映像を3Dで見られるとてもいい機会。ダンサーの服装はThrillerコスではなく普通の格好をしていたけれど、着替えの時間とか考えるとそれはそれでありかな。むしろゾンビコスチュームじゃないぶんダンスをはっきり確認できてよかったかも。
JAMはDANGEROUS、HIStory両ツアーともオープニングの数曲で披露されるテンション高い曲ですが、この振り付けは結構マイケルのアドリブも加わる部分だったのに対してトラヴィスはかなりバックダンサー的なダンスに終始務めていた印象。これもマイケルを無理して演じるよりバックダンサーに徹するという点ですばらしいなと思いました。
They Don’t Care About Usは、THIS IS ITの中でマイケルがダンサーに教えていた振り付けから実際の曲までつながっていくので、「ああこういう演出だったのか」というのが追体験できる。THIS IS ITの中でもあのダンサーへ教えていた振り付けが一番好きだったので、これを通してみられたのは嬉しいなあ。
smooth Criminalも映像は3Dで上映し、そこから群舞につながる流れ。もちろん斜めに倒れるゼロ・グラヴィティはきっちりやってくれました。あれTHIS IS ITだと華麗に省かれてるしね……。
続くThe Way You Make Me Feelは、バックダンサーの中で一番のお気に入りだった女性ダンサーと女性振り付け師がダブルでタチアナを演じるという憎い演出。いつもの群舞と違い、マイケルのいないステージでバックダンサーたちが自由に踊っていて、とても異質な印象ながらもより臨場感が伝わってきました。
そしてBillie Jeanはなんと4人がかりでマイケルを演じるという演出。確かに1人にマイケル役を負わせるよりこちのほうがいいなあ。ちなみにこのThe Way You Make Me Feelとこの曲はトラヴィスの出番なし。お疲れモードなのかしらね……。
そして何より感動したのがDangerous。THIS IS ITには一切収録されていなかったナンバーですが、やっぱりちゃんと準備してたんだね……。しかもかなり大胆なアレンジが加わっていて新鮮な振り付けになってました。これ映像化して欲しいわー。
何の曲で終わるのかなーと興味津々だった最後は、なんとオリアンティによるHeal The Worldの熱唱。確かにマイケルの意志を汲むなら最後はHeal The Worldだろうし、それをオリアンティに歌わせるというのもちょうどいいところかな。そして最後に出てくる子供たちの中に、THIS IS ITのEARTH SONG映像に出ていた女の子が登場してたのもなかなかいいサプライズでした。
ここまでは最高だったのですが最後に流された3D対応のEarth Songがちょいと残念。いや映像自体はすばらしいんだけど、映像終わった後に「これはソニーのBlu-rayで見られますよ」という余計な宣伝が出てくるというね……。3Dライブそのものがすばらしくてソニーほんとにすごいね、って会場にいる誰もが思ってたのに、最後の演出で醒めちゃったよ……。まあその後に赤坂泰彦が再登場して金曜ロードショーの宣伝しつこくしてたりして、「それ冒頭でさんざん聞いてるよ」というのもあわせて残念でしたが。
全編通して日テレホールの3D中継で楽しみましたが、ときおり映るAXの模様を見て「ああ、日テレホールでよかったなあ」と思いました。AXは目の前でダンサーが踊る分盛り上がりは凄いのですが、スタンディングなので後ろのほうだとダンサーちゃんと見えないし、盛り上がりすぎてダンサーに集中できなそう。
日テレホールは映像中心だったぶんお客さんも落ち着いていて、なので集中してダンサーたちの動きを楽しめました。会場と一体になって盛り上がるのももちろん楽しいけれど、一度しかないイベントをこの目にしっかり焼き付けたい派としては、いろんな角度から撮影してくれてダンサーの動きがしっかり見える中継会場でよかったなーと思ったのでした。
3Dライブも予想してたよりすばらしい。飛び出すというよりアバターのように奥行きを持たせるような映像で、あまり目に負担かかることもなくダンサーをより身近に楽しめました。ライブ中継を3Dで、ってのはこの先かなりニーズあるかもなあ。
なお、このイベントの一部は明日の金曜ロードショー「THIS IS IT4時間スペシャル」でも放映されるとのこと。イベントに行きたかったけど行けない人は録画忘れずにね!